初めて会った人と話しているとき、こちらは楽しいつもりなのに、相手の表情があまり変わらない。「退屈しているのかな」「自分の話がよくなかったのかな」と気になって、こちらまで言葉を探しすぎてしまうことがあります。
表情は相手を知るための手がかりの一つですが、笑顔が少ないことだけで、その時間をどう感じていたかまでは分かりません。その場で実際に起きたことと、自分が想像したことを分けてみましょう。
1.『笑顔が少ない』のほかに、分かっていることは?
例えば相手はあまり笑わなかったけれど、こちらの話を最後まで聞いてくれた。自分から質問を返してくれた。お店を出るときに「今日はありがとうございました」と言ってくれた。そうした具体的な行動も、その日の出来事です。
もちろん、質問があったから必ず好意があるとも、礼儀正しかったから次も会いたいはずだとも言えません。見えた事実を増やすことは、相手の気持ちを先回りして決めることとは違います。
2.相手を笑わせようと頑張りすぎない
会話を盛り上げようとして、次々と冗談を言ったり、予定にない話題を重ねたりすると、かえって自分らしく話せなくなることもあります。笑顔を引き出すことを、その日の成功目標にしなくてよいのです。
例えば「このお店、落ち着いて話せますね」「さっき話していた本のことをもう少し聞いてもいいですか」と、目の前のことや実際に聞いた話へ戻ってみます。相手が考えながら話す人なら、そのペースも尊重できます。
3.気になったら、気持ちを決めつけずに尋ねる
帰り際に「楽しくなかったですよね?」と聞かれると、相手は否定しなければいけない気持ちになるかもしれません。代わりに「私はゆっくり話せてよかったです。今日はどうでしたか」と、自分の感想を先に添える方法があります。
例えば「展示は興味深かったけれど、少し疲れました」と返ってきたら、「そうだったんですね。今日はこの辺で帰りましょうか」と予定を調整できます。笑顔を増やしてもらうことより、今の希望を聞く会話にします。
4.相手の表情だけでなく、自分の心地よさも
一方で、相手の笑顔が少なかったことより、自分が話すたびに否定された、途中で話を遮られ続けたといった具体的な出来事が気になるなら、その感覚も大切にしてください。相手を理解しようとすることと、自分の不安や負担を置き去りにすることは同じではありません。
人の表情の出方は一つではありません。次に会うか迷ったときは、笑った回数より、「何を話せたか」「こちらの希望は大切にされたか」「もう少し知りたいことはあるか」を振り返ってみましょう。笑顔が少ない理由を、性格の型や診断名に結びつける必要もありません。





