初めて会った相手が、あまり自分から話さない。こちらの話にはうなずいてくれるけれど、「聞き上手なのかな」「それとも、退屈しているのかな」と迷う。沈黙が増えるほど、自分が話し続けなければと焦ってしまうかもしれません。
話す量は見えますが、その理由まで同時に見えるわけではありません。 聞き上手か無口かを急いで決めるより、二人の会話を少しずつ確かめる視点をご紹介します。
1.話す量のほかに、見ておきたい場面
会話を振り返るなら、質問の数だけでなく、やりとりの中身にも目を向けてみます。
こちらが話した内容に戻ってくれたか。分からないところを確かめてくれたか。自分の番になったとき、考える時間を取れたか。意見が違った場面で、互いに話を続けられたか。
どれも「こうしていれば好意がある」というサイン一覧ではありません。相手の気持ちは本人にしか分からない部分があります。ただ、話の総量以外にも、二人の関わりを振り返る材料はあります。
一度にすべて観察しようとせず、「さっきの話を覚えてくれていて、うれしかった」など、具体的な一場面を拾ってみましょう。
2.問いの大きさを変えてみる
「最近どうですか」「趣味は何ですか」という広い問いで言葉が止まったなら、もう少し場面を小さくしてみます。次は会話の例です。
「休日は、朝から予定を入れる方ですか。それとも、起きてから考える方ですか。私はつい朝をのんびり過ごしてしまいます」
自分の話を少し添えれば、相手も何について話せばよいかを考えやすくなります。ただし、二択で分類する必要はありません。「日によります」と返ってきたら、「最近のお休みはどうでした?」と、その人の実際の話を聞けます。
答えが短いときに、すぐ次の質問で埋めなくてもかまいません。飲み物に口をつけたり、窓の外へ目を向けたりして、相手が言葉を足す余白も残してみてください。
3.聞いてもらうだけでなく、自分の希望も伝える
相手が静かだと感じたとき、自分が話しすぎたのではと責める必要はありません。相手のことも知りたいなら、その希望を穏やかに言葉にできます。
「私はつい話してしまいましたが、あなたのお話も聞いてみたいです。最近、ちょっと楽しみだったことはありますか」
相手に説明を迫るのではなく、話題を選べる余地を作る言い方です。人柄を知るために、初対面から家族や過去の恋愛など、話しにくい内容へ踏み込む必要はありません。
また、にぎやかすぎる店や、慌ただしい時間帯が話しにくさにつながっている可能性もあります。「ここ、少し音が大きいですね」と場の条件を確かめることもできます。何もかも性格のせいにしないことが大切です。
4.自分に合う会話かどうかも、大切にする
相手が静かな理由を理解しようとすることと、一人で会話を支え続けることは別です。質問しても返答が少なく、自分ばかり疲れると感じたなら、その感覚も振り返ってよいと思います。
もう少し知りたい気持ちがあるなら、次は短い散歩など、場面を変えて話す選択もあります。反対に、関心が持てないなら、「静かな人を理解できない自分が悪い」と考えて会い続ける必要はありません。
話の量だけでは、その人の人柄は分かりません。実際のやりとりの中で、相手への関心がどう伝わってきたかにも目を向けたいですね。
「よく話す人か」だけでなく、「お互いの話ができる時間だったか」。 次に初対面を振り返るとき、その問いも一つ加えてみませんか。





