食事中に「前はどんな人と付き合っていたの?」と聞かれ、返事に詰まる。隠したいというより、まだ相手との距離を考えながら話したいのかもしれません。尋ねられた項目をすべて埋めなくても、会話は続けられます。過去を大きく見せたり、詳しい理由で納得してもらったりする前に、自分が今話せる範囲を短く示す方法を考えてみましょう。
1.一つの質問にも、答える範囲はいくつかある
「過去の恋愛」とひとまとめにされても、交際したことがあるか、どのくらい続いたか、誰と何があったかは別の情報です。交際経験の概要は話せても、別れた経緯や相手のことは話したくない、と分けてよいのです。すべてを話すか、何も言わないかだけで選ぶ必要はありません。
例えば「お付き合いしたことはありますが、詳しい話は今日は控えたいです」と返せます。交際回数そのものも言いたくなければ、「これまでの詳しい話は、今はまだ話さないことにしています」と、範囲だけを伝える選択もあります。
相手が自分の経験を話してくれた後だと、同じだけ返さなければと感じることがあります。それでも、相手が選んだ話す量は、自分の返答の量を決めるものではありません。「お話ししてくださってありがとう。私からは、今話せることだけでもいいですか」と置けます。
2.断る理由を、長い弁明にしなくてよい
「話したくない」と言ったら感じが悪いのではと考え、忙しかった事情や過去の気持ちを説明し始めることもあります。でも、その説明が新たな質問の入口になると、結局話したくなかったところまで話してしまうかもしれません。
短い返し方を、自分に合うものから一つ選んでみます。「昔の詳しい話は、まだ少し話しづらいです」「今は、これからどんな関係にしたいかを話せたらうれしいです」。その日の言葉にするのであって、笑顔で軽く返すことまで自分に求めなくて構いません。
話す範囲を伝えることと、過去を取り繕うことは別です。場を早く収めるために、事実と違う交際歴を作らなくてもよいのです。誰のことか分かる名前や勤務先、相手から個別に聞いた事情を、説明の材料として渡さない配慮もできます。
3.過去の比較から、今の付き合い方へ戻す
「前の相手とはどうだった?」と聞かれたとき、比較に答え続ける以外の返し方があります。例えば連絡の話なら、「以前の相手とのことは控えたいです。私は、次に会う予定を早めに相談できると助かります」と、今の自分の希望を返します。
休日の過ごし方なら、「過去のデートの詳しい話はしないでおきますが、今は、静かに話せる時間を大切にしたいです」と言えます。過去を明かすことを条件にしなくても、相手が知りたい今の付き合い方について伝えられる場合があります。
質問の意図を推測して正解を探しすぎないことも大切です。気になるなら「知りたいのは、今どんな付き合い方を望んでいるか、ということでしょうか」と聞き返せます。相手の理由を確かめても、過去を詳しく答えると約束したことにはなりません。
4.一度話しても、続きまで約束したわけではない
前回少し話したので、次は全部話すべきだと感じることもあるでしょう。でも、話してみて思ったより負担だったと気づく場合もあります。「前は少し話しましたが、その先は今は話さずにおきたいです」と、範囲を変えられます。
「もう少し親しくなってから」と言った場合も、それは将来の詳しい説明を必ずする約束ではありません。先のことを約束したくなければ、「今は話さないでおきたいです」と、現在の希望だけにしておく方が自分に合うかもしれません。
会話を終えた後、自分に対して「うまく答えられなかった」と採点するより、どこまでなら落ち着いて話せたかを思い出してみます。次に聞かれたときのために、短い一文だけ持っておく。過去のすべてを説明せずとも、今の自分として相手と知り合っていけます。





