「料理が好き」と話したら、「それなら毎日のごはんはお願いできるね」と返ってきた。喜んでもらえたのはうれしくても、日々の担当を引き受けたつもりはないかもしれません。好きな料理を楽しむことと、食事を途切れなく用意することを分け、どこまでなら自分も望んでいるのかを伝えてみましょう。
作りたい料理と、毎日の食事は同じではない
週末に時間をかけて新しい一皿を作るのは楽しくても、平日の帰宅後に献立を考え、足りない物を買い、片付けまで終える余裕はないことがあります。「好きなら毎日でも苦ではない」とは、本人に聞かずには分かりません。楽しめる条件も、人やその日の予定によって違います。
例えば「休みの日に新しい料理を作るのが好きです。でも、平日の夕食を毎日用意するとは約束できません」と言えます。料理が得意であることを否定したり、楽しんでいることまで隠したりする必要はありません。好きなことは残したまま、引き受けない範囲も示せます。
相手が単に褒めたつもりだった場合でも、「うれしいです。ただ、日々の担当は別に相談したいです」と確かめられます。冗談だったかを突き止めることより、毎日の食事を誰が担うかはまだ決まっていない、と双方に分かることが大切です。
今夜の担当と、来週からの役割を分ける
一緒に食べる日の予定があるなら、まずその一回を相談します。「土曜は私が作りたい料理があります。買い物は一緒にできますか。食後の片付けはお願いしたいです」と、今回引き受けることを具体的にできます。手料理を振る舞う一回から、今後の食事全部へ広げないようにします。
料理という言葉に含めている作業も、二人で違うかもしれません。作る人は材料をそろえてもらうつもりで、食べる側は献立から片付けまで頼めたと思っている。そんなずれを避けるには、当日の買い物、調理、片付けについて、誰ができるかを確かめます。
頼まれた側にも、「その日は買い物に寄れませんが、帰ってから片付けはできます」と返す余地があります。一つ頼まれたら必ず同じ量を返す、という交換表にする必要はありません。ただ、どちらかが足りない部分を黙って引き受ける前提になっていないかは見ておきます。
交際中でまだ一緒に暮らしていないなら、相手の家で料理をしたことだけで、次も当然だと思わないことも大切です。「次は外で食べたいです」「今回はそれぞれ済ませてから会いませんか」と、その日の過ごし方を選べます。
忙しい日の食事にも、別の案を持つ
毎日の暮らしを相談する段階なら、料理をする日だけでなく、できない日にどうするかを話します。例えば、帰宅が遅い日はそれぞれで用意する、買って帰るものを相談する、手のかからない食事にする、といった案があります。どれを使うかは二人の希望と負担で選びます。
「作れなかったら申し訳ない」ではなく、「水曜は帰りが遅いので、私は作れません。食事は別々に用意する形でどうですか」と伝えられます。料理をしない日を、特別な謝罪が必要な日や、あとで豪華な料理を作って埋め合わせる日にしなくても構いません。
買う食事を選ぶなら、費用を誰が出すか、注文や受け取りまで誰ができるかも必要に応じて相談します。方法を変えても、考える役だけはいつも同じ人に残る場合があるからです。料理をしない側も、自分が引き受けられる作業を具体的に提案できます。
感謝は受け取り、次の担当は確認する
「おいしかった」「作ってくれてありがとう」と言ってもらえたら、その感想は受け取ってよいのです。それでも、感謝されたことが、毎回作る約束を追加するわけではありません。次の食事は、次の予定と気持ちを聞いて決められます。
もし何度か続けるうちに固定の役割になっていたなら、「最近は私が毎回用意していますが、毎日の担当として決めたつもりではありません。次の一週間は、作る日と別の方法にする日を相談したいです」と、今の実態から話せます。性別や得意不得意だけで担当を決めず、料理を楽しみたい気持ちも、休みたい日も含めた役割を考えていきます。





